黒瀬整復院

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院長ブログ 四十肩・五十肩: 2016年10月

四十肩/五十肩①

《質問》~
「四十肩」と「五十肩」の違いを教えて下さい。

〈回答〉~
実は・・・「四十肩」も「五十肩」も、正式な病名ではありません。
ザラッと言えば 単に一般の人が理解しやすいように、四十、五十歳代に起こりやすい肩関節痛の俗称です。
ですからその内容、原因は色々あります。
ただ、その年代には老化が徐々に表面化してくるので、色々な症状が起きるのは間違いのないところではあります。
その病気の本体は「石灰沈着性腱板炎」や「肩腱板損傷」・「肩峰下滑液包炎」・「上腕二頭筋長頭腱炎」等々があります。
これらは単独だけではなく、複数合併している事もあります。

◉この中でも「肩腱板損傷」⇒”肩腱板と呼ばれる4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の腱の集合の筋(すじ)が切れる”は 意外と合併率が多く、これといったケガをした記憶もないのに そんなコトになっていて・・・単なる保存的治療では治らず、その場合は 手術が必要になります。

『この場合には、整形外科に於いて 手術をして頂くのが良いと思います。』

※但し、当院に於いては 手術の前に何度かの施術をして、より 手術がスムーズに 且つ、短期間にて回復して頂く為の下準備を行います。

手術というのは ”とても有り難い必殺技”的要素は かなりありますが、むやみやたらに”伝家の宝刀”を振えば良い…という訳ではありません。
やはり、”伝家の宝刀の振いドコロ”をしっかりと、押さえる必要がありす。
「整形外科系の手術」(⇒“観血的療法…血を見る…”と分類します)というのは 「内科的疾患」と比べると、急を要するコトがあまりない場合が多いのも事実です。

勿論、急を要する場合には 「適切な検査→判断→見通し→方法論→実際の技術…それらを機能させる環境・人員等の諸々がしっかりと整った上で、実行されるモノ」です。

しかし、”ある程度の選択時間”があり、”手術の方法も 一長一短があったりする場合”には、先ずは 手術を置いておいて、私の「手技療法」(⇒”無血療法…血を見ない…”と分類します)を お薦めします。
と申しますのも、”手術”の場合には 「受けて(切ってしまって)から やっぱり合わなかったから止めにします…やらなかった状態に戻してください・・・」は 出来ないのです。

“手術”というのは 強力(プラスの面)な分、「麻酔リスク、切る…癒着・ケロイド等のリスク(⇒人工的なケガを負わせる為…)、”手術” そのモノが合う・合わない、併用薬が合う・合わない・・・」等の マイナスの面も併せ持っています。

⦿ですから、「とりあえずやってみる・・・コトではない!!」のです。

※手術を受ける場合でも、
①「私の手技療法=整復術」を 手術を円滑に受ける為の準備として施術します。
②手術後には 折角受けた手術を最善・最高に有効手段として、機能させるための後療として、受けて頂きます。
けれども、
一般的に言うトコロの「リハビリテーション」に ”私の手技を使う・・・”と、いうコトではありません。
確かに、傍目から見ると “似たようなコト”をしている様には見えるでしょうが、「カラダの内部に於いて起きてている・起こしているコト」が 全く違うのです。
これは何も「手術の後療法に限ったコト」ではありませんが、『整復術』に於いては、「固まった関節を単に動かして 関節の可動領域を改善する」とか、「落ちてしまった筋力に負荷を掛けて運動させて 筋力の回復を図る」・・・といったコトをしている訳ではないのです。

確かに、「関節可動域の改善・筋力の回復」・・・そして、「作業療法」や「言語療法」は とても大切且つ、有効な治療手段です。ケガや障害が四肢のみならず、体幹部・頭部・全身に読んでいる場合には 必要不可欠。その為の設備(施設)・人員…それらすべてを機能させるシステムが もの凄くもの凄く重要なコトは言うまでも有りません。

そこに、”スパイス”というか、”触媒”というか、『整復術』の「”神経筋連絡手技”~神経と筋肉の指令伝達を良くする」を 施すコトにより、回復を盤石に 且つ、早く行わせるコトが出来るのです。
なので、
“手術”を するにしても、しないにしても、『整復術』を受けて頂きたい!! のです。

例によって、話が少しずれましたが・・・
いずれの『病名』も上記に述べた様に”退行性変性変化” ・・・つまり、「老化が原因」となっているコトが多いです。
それぞれに 微妙に炎症を起こす理由、部位、それによって制限される肩の痛みの性状等・・・が異なりますので、当然に治療法は違い(異なり)ます。

と・・・一般的な医学、医療の解釈を踏まえた上で・・・、

あえて、私は
●「四十肩(肩関節周囲炎)
●「五十肩(癒着性関節包炎)」
に分けて、「捉え分け」をしております。
そして、”手術を必要”としたり、”投薬を必要”とする場合には 医師の方と相談をした上で、的確に行うコトをお薦めします。

◉「むやみやたらに “手術や投薬”を 毛嫌いするのは、以ての外・・・」と、考えております。

※「この捉え分け」に関しましては、『症状別施術の特徴・四十肩・五十肩でお悩み方へ』と、過去のブログの所々で共通の話(ブログのカテゴリーとしては「筋肉の話」)として、お伝えしておりますので、そちらの方ももう一度 お読み頂ければと、思います。

※あとここで・・・お話しておきたい概念があります。

◎「関節内と関節外」というのは、「関節包の内と関節包の外」という意味でして、「関節包という組織」の「ウチとソトという捉え分け」です。
おそらくは 一般的感覚からすると、”ちょっと分かり難い区分け”であるかと 思います。
◎「関節内と関節外」というのは、関節というのは “骨と骨のつなぎ目”で、幾らかの隙間の空いている連結装置なのですが その”つなぎ目”を 「関節包」と呼ぶ ”厚い膜状の組織⇒筋(すじ)”で、被っているのです。
その「関節包の内側⇒関節内、外側⇒関節外」と、分けて捉えます。その理由は「関節内と関節外での血管分布」が全く違い、回復機能に著しく差異があるから…なのです。
やはり、“回復能力を考える場合 「血管分布が多い!⇒血流が良い!!⇒回復力が高くなる!!!」というのは とても大切な要素”なのです。
●「一般的な関節」には “関節外”に「靭帯」という関節を支える筋(すじ)⇒”スタビライザー機構(機能)”が 存在します。
膝関節・股関節の場合は “関節内" にも「靭帯」があります。
肩関節の"関節内"には 「上腕二頭筋の長頭腱」という"筋"が通り抜けています。
けれども、肩関節では 「靭帯」が、”関節外にも関節内にも” ありません。
肩関節は人体の中で 一番可動範囲が広い関節なのです。
その機能を果たすために、支持組織である 「靭帯」は存在せずに、他の関節に比べて「 関節包を分厚くするコト」により、”可動性と支持性の両方を兼ね備えた構造”になっているのです。
その関係(特性)上、肩関節に於いては特に 関節包の状態が、肩関節の状態に響くのです。

で、この「肩関節の関節包」が 年令的な衰え・・・
特に、”性ホルモン”(<”副腎皮質ホルモン”…”性ホルモン”は”副腎皮質ホルモン”に含まれます)の変化(低下)によって、関節包が委縮(干乾びて来る)により発症した場合を「五十肩」と分類し、「そうでない肩関節の異常」の内の明らかなる”原因のはっきりしたモノ(いわゆるケガ)以外”を「四十肩」…純粋なケガではない、若干の年齢的な衰えも異常の一因となっているモノを ひっくるめて総称します。
ま、”同じ・同じ様な呼び方”・・・「傷病名」でも、本当に実態は 様々なんです。

何だか、屁理屈っぽくなっちゃいましたが
「あんまり、”アタマでっカチっぽく”ならないコトが早く治れる秘訣です!!」と、締めさせて頂きます(笑顔)


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